憂き目

生きるという憂き目に遭う

1984年・20210204死生観

本の感想、数ヵ月ぶりにこっちに吐露したい
死生観と共に


ukime.hatenablog.com
年末ぶりだね

1984


一九八四年


ukime.hatenablog.com
出会い。素晴らしい。
読んで欲しいけど、全然読まなくてよい。
60%ぐらいから加速するように読み進めた。たまらない読み味。
答えが書いてある感覚。
止まるわけがない。


精神を奪う、踏みねじるということがよく書かれている。
政治的な、支配の危険さを物語で説いている。
小説ね、小説。小さい説明、なるほどね。

ウィンストン

絶対死ぬと思ったから死んでよかった。
人間であることを辞められないことがよかった。
最後には偉大なる兄弟に敬愛を示して、
"ちゃんと"作り替えられて満足して死んでいった。
気持ちが良い死だ。
事実ベースに生きている。生きていると言うことを疑うことができない。
double think がヘタクソだね。自分の真なるセカイというものを疑えないんだね。
そこがカワイイ。

double think

俺はずっと憂いている。浮いているって言ってもいい。
ず~~っと地に足が着いたことがない。生きているのは謎だ。
今、息をしているのは本当か?
温まらない部屋でさむがっているのは本当か?
いや、現実的にはそうだろう。当たり前だろう、生きて、感覚があるんだから。
でも、脳が見た夢、現実ベースでそう思い込みたいだけ。
本当は何も存在しないけど、在ると思い込んでいる。在る気がしている。
俺は何もムズカシイことは言っていない。
生きているし、生きていない。
それらは両立している。

ジュリア

途中退場枠だと思った。
そうでもなかった。そんなチープな考えは異世界転生。


合理的なバカだった。
本能を生きる要素として過ごしている。
"一般人"の権化だ。
プロレはモブだとしたら"一般人"の代表だ。
ウィンストンのコムズカシイハナシをまったく聞かないところが良い。
思考力がない。考える気もない。それでこそ"一般人"なんだよ!!
生きてこそ"一般人"が活きてくる。活だよ。
そんなもんを分からせる引き立て役。たまんないね。

オブライエン

最高の"政治"だ。
権力のために権力を求める。拷問の為に拷問を求める。
それ以上の意味はない。それのためにそれがある。いい論理すぎる。
俺は陶酔してしまった。今にでも自分の考えを改めたい。


苦痛を与えることこそが権力。そうだよね、そうね。納得する。
全体主義も感じる。人は個ではなく、集団として存在するべきね。


俺はよく夢想する。
会社を興して、
自分自身が中心人物となることを望みながらも、
自走して考えて生きる為に動く生き物を生み出すことを。
この願いが叶えられたかのような痛快さが1984年にはあった。
オブライエン、ありがとう。

20210204死生観

ニヒリズムに新しい概念が加わった。
やっぱり、double thinkでしょ。
見つけた時からときめいていた。一目惚れだね。
原作を読むことで理解が深まって、この思考に愛着がより一層増した。


俺は生きているけど、既に死んでいる。
と考えられる。
これは救いだね。
自殺を求めなくとも、既に達している。


この世は浮世なのよ。
在んのか無いのか分からん。証明することはできない。
だから、俺は確かに生きて、息をして、生活をしているが、
それでも、死んでいると言えるんだな。死んでいるというよりかは、無いのだ。
この苦しみも、希死念慮も、在るけど無い。
苦しいと感じている事実は在る。
苦しいは俺の思想を通じてのみ在る。
俺の思想外には無い。だから現実としても無い。


よかった。俺は無いんだ…。
無いと定義していいのだ!


俺、救われた!
救われた!!
救われた!!!
doble plus 救われた。


救い。なんてものは新語にはないだろうね。
生きていることに評価なんてない。
救いは宗教的な要素を含んでいるから、それだけを理由に消される。
こんな単語使ったらcrime think になっちゃうよ。アナタ。間違いない。


久々に答えの一端を見つけた気がする。
やっぱり、感性に導かれて苦手な小説を手に取って良かった。
通勤電車で2日ちょっとで6時間、自宅で4時間、プレイ時間10時間ぐらい。
普段1冊読むのに通勤の片道だけでザクザク消化している身からすると重かった。


良い時間だった。さぁ、気持ちよく寝よう。
明日も目覚めないといいな。
じゃない!
俺はもう、永遠の眠りの中にいる。
居ると思っているのは気の迷いの俺なんだわ。